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素粒子物理学:陽子における固有チャームクォークの証拠

Nature 608, 7923 doi: 10.1038/s41586-022-04998-2

強い力の理論である量子色力学では、陽子はクォークとグルーオンで記述される。陽子はグルーオンによって2個のアップクォークと1個のダウンクォークが束縛された状態であるが、量子論では、それに加えて無限個のクォーク–反クォーク対が存在すると予想されている。高エネルギー衝突では、質量が陽子より小さい軽クォークと大きい重クォークの両方が陽子内部に現れる。しかし、重クォークが、非摂動的ダイナミクスによって決まるために未知である陽子波動関数の一部としても存在するかどうか、すなわち、いわゆる固有重クォークが存在するかどうかについてはよく分かっていない。陽子には、最も軽い重クォークであるチャームクォークの固有成分が相当量ある可能性が、以前から議論されている。しかし、陽子内の固有チャームを実証しようとする多くの試みでは、まだ結論が出ていない。今回我々は、機械学習と大規模な実験データセットに基づいて、核子のクォーク・グルーオン含有量を高精度に決定することによって、固有チャームの存在を示す証拠を提示する。我々は、高エネルギー放射から生じるチャーム–反チャーム対から固有チャーム成分を分離した。我々は、固有チャームが存在することを3標準偏差のレベルで実証しており、その運動量分布はモデル予測と非常によく一致している。これらの知見は、大型ハドロン衝突型加速器ビューティー(LHCb)実験で得られた、チャームジェットを伴うZボゾン生成に関するごく最近のデータと比較することによって裏付けられた。

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