エネルギー材料:スケーラブルなソーラー燃料生産のための浮遊式ペロブスカイト-BiVO4デバイス
Nature 608, 7923 doi: 10.1038/s41586-022-04978-6
光電気化学(PEC)的な「人工葉」は、1つの小型デバイス内に光捕獲と触媒反応を統合することによって、持続可能なソーラー燃料生産のコストを下げる可能性がある。しかし、現在の堆積技術はスケーラビリティーを制限している一方、重くて壊れやすいバルク材料は輸送や配備に影響を及ぼす可能性がある。今回我々は、薄くて柔軟な基板と炭素質保護層を用いることによって、軽量人工葉の作製を実証する。酸化インジウムスズで被覆したポリエチレンテレフタレートの上に堆積させたハロゲン化鉛ペロブスカイトフォトカソードは、白金触媒を用いて4266 μmol H2 g−1 h−1の活性を達成した。これに対し、CO2還元用Co分子触媒を用いたフォトカソードは、より低い照射(0.1 sun)の下で7.2という高いCO:H2選択性を達成した。対応する軽量ペロブスカイト-BiVO4 PECデバイスは、アシストなしでそれぞれ0.58%(H2)と0.053%(CO)のsolar-to-fuel(太陽光から燃料への)変換効率を示した。スケーラビリティーの可能性は、1.7 cm2のデバイスに匹敵する性能と安定性を維持(約24時間)した、100 cm2の独立型人工葉によって実証された。さらに、動作中に生成した気泡によって、30~100 mg cm−2のデバイスの浮遊が可能になるとともに、軽量反応器によって、河川での屋外試験時のガス捕集が容易になった。今回の葉状のPECデバイスは、重量に関して従来のソーラー燃料アプローチの間にあった溝を埋めるとともに、光触媒懸濁液や植物の葉に匹敵するグラム当たりの活性を示す。今回提示した軽量浮遊式システムによって、開放水域での応用が可能になり、土地利用との競合が回避される可能性がある。

