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遺伝学:ロングリード塩基配列解読で明らかになったヒト組織におけるトランスクリプトームの変動

Nature 608, 7922 doi: 10.1038/s41586-022-05035-y

転写産物の構造の調節は、転写産物の多様性を生み出すとともに、ヒトの疾患において重要な役割を担っている。ロングリード塩基配列解読技術の出現で、転写産物の構造における遺伝的変動の役割を研究する機会がもたらされている。本論文で我々は、オックスフォード・ナノポアテクノロジーズ社のプラットフォームを用いて、遺伝型組織発現(GTEx)プロジェクトの組織および細胞株に由来する88試料から得られた、ヒトの大規模なロングリードRNA-seqデータセットを提示し、GTExの情報資源を補完する。我々は、注釈付けされた遺伝子について7万を超える新規転写産物を特定し、新規転写産物の10%のタンパク質発現を確認した。また、ロングリードの対立遺伝子特異的な解析によって、まれなバリアントとありふれたバリアントがトランスクリプトームに及ぼす遺伝的影響を解析する、新たな計算パッケージ「LORALS」を開発した。我々は、対立遺伝子特異的な発現と転写産物の構造事象の特徴を明らかにすることで、ありふれた遺伝的バリアントとまれな遺伝的バリアントによって引き起こされる特定の転写産物変化についての新しい手掛かりを示すとともに、ロングリードデータから得られる分解能を浮き彫りにする。スプライシングを仲介するRNA結合タンパク質であるPTBP1のノックダウンで転写産物の構造の摂動が可能になり、これによって、細胞環境によって変化する遺伝的調節効果が見いだされた。さらに我々は、このデータセットを用いて、バリアントの解釈を向上させるとともに、異常なスプライシングパターンにつながるまれなバリアントの検討を行った。

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