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医学研究:長時間にわたる全身の温虚血後の細胞の回復
Nature 608, 7922 doi: 10.1038/s41586-022-05016-1
哺乳類細胞では、血流停止後、もしくはそれと同様の虚血状態に曝されると、有害な分子反応カスケードが始まって、それが最終的には細胞死につながる。だが、標的を定めて介入を行えば、単離したブタ脳でBrainEx技術を用いた例でも報告されているように、死後数分あるいは数時間たってからでさえ、このような過程を緩和したり、逆転させたりできる。しかし、単一臓器への介入方法を損傷を受けていない全身に転用することは、循環上の問題や多系統にわたる生理学的な難問が妨げとなって、現在まで成功していない。今回我々は、体外拍動性潅流システムであるBrainExをブタの全身での使用という状況に適するように改変し、細胞保護作用を持つ潅流液を用いる「OrganEx」を開発した。1時間の温虚血後にOrganExを適用すると、組織の完全性が保たれ、細胞死が減少し、複数の重要臓器で特定の分子過程や細胞過程が回復した。それに対応するように、単一核トランスクリプトーム解析では、特定の分子レベルや細胞レベルの修復過程を反映した、臓器特異的および細胞タイプ特異的な遺伝子発現パターンが見られた。これらの解析結果は、複数の臓器にわたる一定期間の虚血とその後の潅流による介入期間に起こる細胞タイプ特異的な変化を調べた包括的情報資源であり、大型哺乳類での長時間の全身温虚血後の細胞回復という、これまで正当に評価されていなかった潜在能力を明らかにしている。

