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古生物学:鳥類の骨盤は発生中に祖先的な恐竜の状態を経る
Nature 608, 7922 doi: 10.1038/s41586-022-04982-w
現生の鳥類(鳥綱)の体は、祖先的な爬虫類の状態から著しく変化している。とりわけその骨盤は、初期の主竜類から現生の鳥類までの移行の中で大きな変化を経験した。この段階的な変形は極めて優れた化石記録によってよく立証されているが、その根底にある個体発生の変化はあまり明らかにされていない。今回我々は、発生学的な画像化技術を用いて鳥類の骨盤組織の形態形成を三次元的に調べ、化石記録との直接的な比較を可能にした。多くの祖先的な恐竜の特徴[前向きの恥骨、短い腸骨、恥骨の「ブーツ(遠位端の広がり)」など]が鳥類の形態形成の初期に一過的に認められ、これらの特徴は、形質獲得の系統発生的シークエンスとよく似た出生前(孵化前)の発生的シークエンスを経た後に、典型的な「鳥類的」形態に到達することが分かった。また、鳥類の骨盤の個体発生が、非鳥類型恐竜から鳥類への移行と平行的であることが定量的に示され、主竜類で広く保存されている骨盤内の表現型の共変動を裏付ける証拠が得られた。鳥類の胚に祖先的な状態が見られることは、この保存された共変動関係によるものと考えられる。総合すると我々のデータから、初期発生がほとんど研究されてこなかった鳥類の骨盤は、終端付加(発生シークエンスの最後に新たな派生的状態が追加される機構であり、それにより祖先的な形質状態がそのシークエンスの早期に表れる)によって進化したことを示す証拠が得られた。今回検出された表現型の統合は、これまで終端付加には認識されていなかった機構を示唆するとともに、進化的移行において発生中の祖先的状態の保持が一般的であることをうかがわせるものである。

