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素粒子物理学:光確率冷却の実験的実証
Nature 608, 7922 doi: 10.1038/s41586-022-04969-7
粒子加速器と蓄積リングは革新的な発見の担い手であり、多くの応用において、粒子ビーム冷却の革新がその成功の主要な原動力となってきた。確率冷却(SC)は、この分野における最も重要な概念的かつ技術的な進歩の1つで、グラニュラーサンプリングとビームの位相空間構造の補正を通してビームを冷却するので、「マクスウェルの悪魔」と類似性がある。マイクロ波領域から光の周波数や帯域幅へのSCの拡張は、実現可能な冷却速度を3~4桁増大させ、将来の加速器の強力なツールとなる可能性があるため、その実現がかねてから試みられてきた。30年近く前に初めて提案された光確率冷却(OSC)は、SCの従来型マイクロ波用部品を光周波数用の類似部品に置き換えるものであり、原理的にはどの種類の荷電粒子ビームにも対応し得る。今回我々は、フェルミ国立加速器研究所の可積分光学試験加速器(IOTA)における原理検証実験でOSCを実証したことを報告する。この実験では、100 MeVの電子と、放射波長950 nmの非増幅構成のOSCを用いて、全自由度で強力な同時ビーム冷却が実現された。こうした光周波数でのSCの実現は、高利得光増幅を用いたより高度な実験の基礎となり、将来OSCシステムを運用できる機会を早め、加速器科学の幅広いユーザーコミュニティーに利益をもたらす可能性がある。

