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構造生物学:Hsp90–p23–GRの構造から明らかになったHsp90のクライアントリモデリング機構

Nature 601, 7893 doi: 10.1038/s41586-021-04236-1

Hsp90は保存されている重要な分子シャペロンで、数百の「クライアント(基質)」タンパク質を折りたたみ、活性化する役割を担っている。グルココルチコイド受容体(GR)はクライアントタンパク質の好例であり、活性は常にHsp90に依存している。GRのリガンドとの結合は、Hsp70によって阻害され、Hsp90によって回復し、コシャペロンであるp23によって助けられていることがこれまでの研究で判明している。しかし、不活性なHsp70–Hsp90「クライアント積み込み複合体」と活性化したHsp90–p23「クライアント成熟複合体」との間でシャペロンが仲介して起こるリモデリングは、GRを含め、どのクライアントについても分子レベルでの解明が行われていない。今回我々は、ヒトGR成熟複合体(GR–Hsp90–p23)のクライオ電子顕微鏡構造を示し、GRのリガンド結合ドメインが、Hsp90の内腔を通り抜けるのと同時に、折りたたまれたリガンドが結合したコンホメーションに戻ることを明らかにする。さらに、p23がC末端のヘリックスを用いて直接的にGRを元々の構造に安定化するため、リガンド結合が促進されることになる。この本来のコンホメーションでHsp90に結合したクライアントタンパク質の構造は、折りたたまれていないキナーゼ–Hsp90の構造とは、全く対照的である。従って、Hsp90は、コシャペロンとクライアントの直接的な相互作用に助けられて、クライアント特異的な折りたたみの完成を直接的に指令することができる。我々は、GR積み込み複合体の構造と併せて、シャペロンを介したGRリモデリングの分子機構を示しており、こうしたシャペロンサイクルの全容が確立されたのは、我々の知る限り、Hsp90のいかなるクライアントについても初めてである。

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