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神経科学:個々のヒト皮質前駆細胞は興奮性ニューロンと抑制性ニューロンを生成できる

Nature 601, 7893 doi: 10.1038/s41586-021-04230-7

大脳皮質は、非常に多様な細胞タイプのニューロンとグリア細胞からなる、細胞的に複雑な構造を持つ。皮質ニューロンは、神経伝達物質としてグルタミン酸を使う興奮性ニューロンと、γ-アミノ酪酸(GABA)を使う抑制性介在ニューロンという、2つのクラスに大別される。以前の齧歯類における発生学研究では、興奮性ニューロンは皮質内にある前駆細胞から生じるのに対し、皮質介在ニューロンは発生中の皮質の外の神経節隆起にある別の前駆細胞集団から生じるというモデルが導き出され、広く受け入れられるようになった。しかし、ヒトの皮質前駆細胞の発生能については、十分に調べられていない。今回我々は、ヒト皮質前駆細胞が、興奮性ニューロンとグリア細胞に加え、皮質介在ニューロンの転写特性と形態を備えたGABA作動性ニューロンをも生み出し得ることを示す。STICR(single-cell-RNA-sequencing-compatible tracer for identifying clonal relationships)という細胞バーコード化技術を開発することで、6つの試料から得た1912個の初代ヒト皮質前駆細胞でクローン系譜追跡を行い、それらの子孫細胞の転写アイデンティティーとクローン関係の両方を捉えることが可能になった。皮質内で生じたGABA作動性ニューロンの亜集団は、尾側神経節隆起で生じた皮質介在ニューロンと転写的に類似しており、これらの細胞は興奮性ニューロンやグリア細胞と関係している場合が多かった。今回の結果は、個々のヒト皮質前駆細胞が、興奮性ニューロンと皮質介在ニューロンの両方を生み出し得ることを示しており、これによって、ヒト大脳皮質のニューロンの多様性の起源を理解するための新たな枠組みが提示された。

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