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創薬:110億を超える化合物のバーチャルライブラリーでのシントンを使ったリガンド発見

Nature 601, 7893 doi: 10.1038/s41586-021-04220-9

標的の高分解能構造と膨大な数のバーチャル化合物ライブラリーが利用できるようになったことで、バーチャルリガンドの構造に基づくスクリーニングは、創薬早期段階の重要な枠組みとなりつつある。しかし、REAL(合成用に容易に使える)コンビナトリアルライブラリーのような、バーチャルライブラリーの急激な増加に後れを取らずについて行くには、化合物をスクリーニングするための新しい方法が必要である。今回我々は、110億を超える数の化合物からなるREAL Spaceライブラリーの、構造に基づく階層的スクリーニングを行うために、モジュラー型シントン(合成等価体)を用いる方法(V-SYNTHES)を開発した。V-SYNTHESではまず、そこから進めていくのに適したシードとして足場とシントンの最良の組み合わせを見つけ出し、次いでこれらのシードを繰り返し修正していって、ドッキングスコアが最も高い完全な分子を選び出す。このような階層的なコンビナトリアル型の方法を採ることで、ギガスケールの化合物空間においてライブラリー中の化合物のごく一部(0.1%未満)との結合をやらせてみるだけで、ドッキングスコアが最も高い化合物を迅速に検出できる。V-SYNTHESで予測された新規なカンナビノイドアンタゴニストを化学合成して実験で検証したところ、マイクロモル以下の濃度で結合するリガンド14種を含めて、ヒット率は33%であり、エナミン社のREAL diversityサブセットの標準的なバーチャルスクリーニング(今回の方法の約100倍の計算資源が必要となる)よりもヒット率が大幅に改善された。最良のヒット化合物群から選んだ類似体の合成では、効力と親和性がさらに改善され[最良の阻害定数(Ki)= 0.9 nM]、またCB2/CB1選択性も大きく改善した(50~200倍)。V-SYNTHESをキナーゼ標的であるROCK1でも検証したところ、リード化合物の発見における有用性がさらに裏付けられた。この方法は、コンビナトリアルライブラリーの急拡大に合わせて容易に拡張可能であり、どのようなドッキングアルゴリズムにも適用できる可能性を持つ。

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