光学・フォトニクス:シリコンフォトニクスプラットフォーム上の汎用3D撮像センサー
Nature 590, 7845 doi: 10.1038/s41586-021-03259-y
機械が物理的世界をマッピングしてそれと相互作用するには、正確な三次元(3D)撮像が不可欠である。多くの3D撮像技術が存在するが、それぞれ特定の用途に対応していて、成功の度合いもさまざまであり、デジタルCMOS(相補型金属酸化膜半導体)イメージセンサーが二次元撮像分野で有するほどの幅広い用途とインパクトを実現できたものはまだない。光検出測距システムとして動作するコヒーレント検出器ピクセルの大規模な二次元アレイは、汎用3D撮像プラットフォームとなる可能性がある。そうしたシステムには、高い深度精度や太陽光による干渉に対する耐性があるだけでなく、移動物体の速度を直接測定する能力があると思われる。全てのピクセルへの電気的接続やフォトニック接続は難しいことから、これまでのシステムは、20ピクセル未満のものに限定されていた。今回我々は、512ピクセルからなる大規模なコヒーレント検出器アレイの、3D撮像システムにおける動作を実証する。フォトニック回路と電子回路のモノリシック集積における最近の進歩を利用して、光ヘテロダイン検出器の高密度アレイと集積化された電子読み出しアーキテクチャーを組み合わせることで、任意の大きさのアレイへ容易にスケールアップできるようになった。ソリッドステートの2軸ビーム操作によって、視野と距離の間のいかなるトレードオフも生じることはない。今回のシステムは、量子雑音限界で動作させることで、わずか4 mWの光の使用により、75 mの距離で3.1 mmの精度を達成した。これは、そうした距離での既存のソリッドステートシステムより1桁精度が高い。最先端の構成要素を用いた今後のピクセルサイズの縮小によって、民生用カメラのセンサーサイズのアレイで20メガピクセルを超える解像度が得られる可能性がある。今回の結果は、ロボティクスや自律航行から、拡張現実やヘルスケアまでさまざまな用途で使用できる可能性のある、安価かつ小型で高性能の3D撮像カメラの開発と普及への道を開くものである。

