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分子生物学:統合的な空間的ゲノミクスによって明らかになった1個の核の全体構造

Nature 590, 7845 doi: 10.1038/s41586-020-03126-2

染色体の構造、核内構造体、クロマチンの状態、遺伝子発現の間の関係を明らかにすることは、核構造の研究における包括的な目標である。しかし、個々の細胞はこのようなレベルの全てで非常にばらつきが大きいように見えるので、多様なモダリティーを同一の細胞でマッピングすることは不可欠である。今回我々は、1個のマウス胚性幹(ES)細胞で、DNA seqFISH+を、連続免疫蛍光法による17のクロマチン標識と核内構造、70のRNAの発現プロファイルと共に用いて、染色体の3660の座位を画像化した。1個のマウスES細胞では、多くの座位が免疫蛍光標識と関連付けられ、この関連に変動は見られなかった。これらの座位は1個の細胞の核構造中の「固定点」となり、核内構造体の表面や複数のクロマチン標識の組み合わせで定義される領域に見られることが多い。さらに、高度に発現されている遺伝子は、1個の細胞内の急激な動態変化とは無関係に、活発な核内領域にあらかじめ配置されているように見える。また今回の解析によって、マウスES細胞には、クロマチン状態の特徴的な組み合わせを持つ複数の異なる亜集団が存在することが明らかになった。クローン解析により、H3リシン27のトリメチル化(H3K27me3)やマクロH2A1(mH2A1)のような一部のクロマチン標識の全体的なレベルは、少なくとも3〜4世代にわたって引き継がれることと、それら以外の標識はそれよりも短い時間スケールで変動することが明らかになった。このseqFISH+を使った空間的でマルチモーダルな方法は、さまざまな生物系で核の構造や細胞の状態を調べるのに使うことができるだろう。

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