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気候科学:南極氷山が更新世の氷期の海洋循環を再編成する

Nature 589, 7841 doi: 10.1038/s41586-020-03094-7

現代の海洋における大規模な水塊の移動の支配的な特徴は、大西洋子午面循環(AMOC)である。この循環の形状と活動度は、さまざまな時間スケールで全球の気候に影響を及ぼす。過去150万年間、氷期のAMOCは今日のそれとは著しく異なっていたことを古海洋学的証拠は示唆している。すなわち、大西洋では、南大洋起源の深層水の体積が増し、一方でその上の北大西洋深層水(NADW)の中心部は間氷期よりも浅くなっていた。この現象の起源を裏付ける証拠がないことは、全球規模で氷期の状態に至るための一連の事象の順番が明らかになっていないことを意味している。本論文では、更新世の間氷期から氷期への移り変わりの際に、南大洋インド洋–大西洋区(東経0〜50度)における南極由来の氷山の融解の位置のより北へのシフトが、深層水塊の再編成に対して系統的に1000〜2000年先行していたことを示す、複数の代替指標に基づく証拠を提示する。我々は、氷山流出軌跡モデルによる実験を用いて、このような氷期の氷山の流出経路の変化によって南大洋の淡水が大きく再分配されたことを実証する。これは、南極周辺の海氷被覆の増加と相まって、正の浮力アノマリーのAMOCの上方セルへの「脱出」を可能にし、南大洋の表層の状態とNADWの形成の間にテレコネクションをもたらしたことを示唆している。この機構の規模と整調は中期更新世の気候移行期に大きく変化しており、同時に「南方からの正の浮力アノマリーの脱出」の規模と深層循環への擾乱が増大していることから、この機構が、約10万年周期で氷期間氷期のサイクルが起こる「10万年世界」への移行期における重要なフィードバックであったことが示唆される。

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