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物性物理学:モアレ超格子の分数充填における相関絶縁状態

Nature 587, 7833 doi: 10.1038/s41586-020-2868-6

競合する長距離相互作用を有する格子上の量子粒子は、物理学においては至る所に存在し、遷移金属酸化物、層状分子結晶、イオントラップアレイは、その例である。こうした系は強相互作用領域において、理論に疑問を投げ掛けるような多彩な量子多体基底状態を示すことが多い。遷移金属ジカルコゲニド・モアレ超格子の出現によって、長距離電子相関を研究するための高度に制御可能なプラットフォームが得られている。今回我々は、二セレン化タングステン/二硫化タングステンのモアレ超格子の分数充填において、20数個の相関絶縁状態を観測したことを報告する。この知見は、誘電環境に対する二セレン化タングステン単層半導体の励起子励起状態の敏感さに基づく新しい光センシング技術によって可能になった。絶縁状態のカスケードは、1超格子サイト当たり1/2粒子の充填率に対してほぼ対称なエネルギー秩序化を示した。我々は、一般化されたウィグナー結晶から電荷密度波まで、整合的(コメンシュレート)な充填率における一連の電荷秩序状態を提案する。今回の研究結果は、二次元拡張ハバードモデルや長距離電荷–電荷相互作用や交換相互作用を伴うスピンモデルによって記述される多くの量子多体問題を、モアレ超格子を用いてシミュレートするための基礎を築くものである。

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