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材料科学:銅の酸化を不動態化する表面配位層
Nature 586, 7829 doi: 10.1038/s41586-020-2783-x
銅は、熱伝導率と電気伝導率が高く、延性があり、概して毒性がないため、日用品や工業、特に酸化防止技術に広く用いられている。しかし、合金化や電気めっきなど、普及している多くの酸化防止技術では、一部の物理的特性(例えば、熱伝導率、電気伝導率、色)が損なわれたり、クロムやニッケルなどの有害元素が取り込まれたりすることが多い。酸化防止剤として有機分子、無機材料、炭素系材料を用いる表面不動態化技術を開発する取り組みが行われてきたが、それらの大規模応用はあまり成功していない。我々は以前、ギ酸塩を還元剤として用いる、空気中で非常に安定な銅ナノシートのソルボサーマル法による合成について報告している。今回我々は、ギ酸ナトリウムの存在下で銅をソルボサーマル処理することで、銅表面が結晶学的に再構成され、非常に薄い表面配位層が形成されることを報告する。この表面改質は、バルク銅の電気伝導率や熱伝導率には影響を及ぼさないが、空気中、塩水噴霧、アルカリ性条件において高い耐酸化性をもたらすことが明らかになった。我々はまた、室温での高速電気化学的合成プロトコルも開発しており、このプロトコルで得られた材料も同様に高い不動態化性能を示した。さらに、アルカンチオール配位子を組み込んで、不動態化層によって保護されていないステップや欠陥サイトに配位させることにより、銅表面の耐酸化性がさらに高められた。我々は、今回の技術は処理条件が温和なため、空気中で安定なさまざまな形態の銅材料(箔、ナノワイヤー、ナノ粒子、バルクペーストなど)の製造に適用できることを実証する。我々は、今回開発した技術が銅の工業応用の拡張に役立つと予想する。

