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遺伝学:線虫は細菌のノンコーディングRNAを読み解いて病原体忌避を学習する
Nature 586, 7829 doi: 10.1038/s41586-020-2699-5
線虫の一種であるCaenorhabditis elegansは、環境中で遭遇する多数の細菌の中で、病原性を持つ菌と、餌として栄養供給源となる菌とを見分けなければならない。今回我々は、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)の病原性株(PA14)から単離精製した小分子RNAに1回曝露するだけで、曝露された線虫とその子孫4世代に病原体忌避行動が誘導されることを明らかにする。細菌の小分子RNAによって誘発される忌避行動にも、また忌避行動の世代を超えた継承にも、RNA干渉(RNAi)経路、PIWI結合RNA(piRNA)経路、生殖系列、ASIニューロンが必要であることが分かった。学習した緑膿菌PA14株に対する忌避の伝達には、この菌のノンコーディングRNAの1つであるP11で必要かつ十分であり、忌避にはC. elegans側の標的であるmaco-1が必要である。これらの結果から、ノンコーディングRNAに依存するこの忌避機構は、この線虫が微生物環境を探査し、この忌避情報を使って適切な行動決定を行い、さらにこの情報を子孫に渡すために進化したと考えられる。

