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構造生物学:多系統萎縮症由来のαシヌクレイン繊維の構造

Nature 585, 7825 doi: 10.1038/s41586-020-2317-6

多系統萎縮症(MSA)、パーキンソン病、認知症を伴うパーキンソン病、レビー小体型認知症(DLB)などが含まれるシヌクレイノパチーは、ヒトの神経変性疾患である。既存の治療法は、よくても対症的なものにとどまっている。これらの疾患は、脳細胞内のαシヌクレインの繊維状凝集体の存在が特徴であり、この凝集体形成により引き起こされると考えられている。しかし、ヒト脳由来のαシヌクレイン繊維の構造は知られていない。今回我々はクライオ電子顕微鏡法を用いて、MSA患者の脳由来のαシヌクレインの凝集体が、2つの異なるプロトフィラメントからなる2種類の繊維から作られていることを示す。おのおのの繊維では、2つのプロトフィラメントの界面に非タンパク質性分子が存在していた。二次元クラス平均を用いて、我々はMSA患者脳由来のαシヌクレインは、DLB患者の脳由来のものと異なることを明らかにした。これは、異なる配座異性体、言い換えればストレイン(strain)が特定のシヌクレイノパチーを特徴付けることを示唆している。タウ凝集体の場合と同様に、MSA患者の脳から抽出されたαシヌクレイン繊維の構造は、組換えタンパク質を用いてin vitroで形成されたものとは異なっており、これはヒト脳での凝集体伝播と神経変性の機構の理解に重要な意味を持つ。これらの知見は診断にも将来の治療にも関わっており、ヒト脳内での繊維状αシヌクレイン凝集体の可視化がまだできていない点からすると、とりわけ重要と思われる。

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