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エネルギー科学:高速充電リチウムイオン電池向けの不規則岩塩型アノード

Nature 585, 7823 doi: 10.1038/s41586-020-2637-6

電化輸送などの用途には、安全に高速充放電できるエネルギー密度の高い充電式リチウムイオン電池が望ましい。しかし、現行のアノードのインターカレーション電位は最適ではないため、エネルギー密度と出力と安全性がトレードオフの関係になっている。今回我々は、不規則岩塩型Li3+xV2O5を、2つのリチウムイオンを平均電圧約0.6 V(対Li/Li+参照電極)で可逆的にサイクル可能な高速充電アノードとして使用できることを報告する。この電位はグラファイトよりも高く、適切な充電制御を用いれば金属リチウム析出の可能性を低くできるため、主な安全性の懸念(Liデンドライト成長に関連する短絡)が軽減される。加えて、不規則岩塩型Li3V2O5アノードを用いたリチウムイオン電池は、市販の高速充電チタン酸リチウムアノードや他のインターカレーションアノード候補(Li3VO4およびLiV0.5Ti0.5S2)を用いた電池よりも、セル電圧がはるかに高い。さらに、不規則岩塩型Li3V2O5は1000回の充放電サイクルにわたって容量をほとんど低下させずに動作可能で、非常に優れた速度性能を示し、20秒で40%以上の容量を供給する。我々は、この不規則岩塩型Li3V2O5の低い電圧と高い速度性能が、ab initio計算で明らかになった低エネルギー障壁の再分配型リチウムインターカレーション機構によるものと考える。この低電位・高速インターカレーション反応は、高速充電・長寿命リチウムイオン電池向けの他の金属酸化物アノードの特定にも使用できる。

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