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神経科学:グルコース代謝がアストロサイトのミトコンドリアとカンナビノイドの作用を結び付ける
Nature 583, 7817 doi: 10.1038/s41586-020-2470-y
アストロサイト(アストログリア)は、血流からグルコースを取り込んで脳にエネルギーを供給することで、神経活動と行動応答を可能にしている。その一方で、アストロサイトは特異的な神経伝達物質受容体を介して、ニューロンの制御下にある。しかし、アストロサイトの受容体活性化が、細胞のグルコース代謝を直接調節して、最終的に行動応答を変え得るかどうかは明らかではない。今回我々は、マウスにおいて、アストロサイトのミトコンドリア膜上にある1型カンナビノイド受容体(mtCB1)の活性化が、脳内のグルコース代謝と乳酸産生を阻害し、その結果ニューロン機能が変化して、社会的相互作用アッセイでの行動応答の障害につながることを示す。具体的に、アストロサイトのmtCB1の活性化は、ミトコンドリア複合体IのサブユニットNDUSF4のリン酸化を低下させ、複合体Iの安定性と活性を低減させる。これがアストロサイトによる活性酸素種の生成を減少させて低酸素誘導因子1経路を介した解糖的乳酸産生に影響を与え、最終的にニューロンのレドックス・ストレスを生じさせ、社会的相互作用アッセイでの行動応答の障害をもたらす。これらの各効果を遺伝学的および薬理学的に矯正すると、カンナビノイド投与で観察された行動への作用が消失した。これらの結果は、マウスでは、mtCB1の受容体シグナル伝達がアストロサイトのグルコース代謝を直接調節して、ニューロン活動と行動を微調整できることを示唆している。

