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微生物学:微生物相は腸–脳回路を介して交感神経ニューロンを調節する

Nature 583, 7816 doi: 10.1038/s41586-020-2474-7

腸と脳との間の接続によって、腸組織および腸内の微生物や食餌の内容が中枢神経系によって監視され、栄養の吸収や運動などの腸の生理的機能と、脳と結び付いた摂食行動の両方が調節される。従って、腸の微生物を検出して、この情報を中枢神経系の複数の領域に伝達し、さらに腸の生理機能を調節する神経回路が存在すると考えられる。今回我々は、ノトバイオートマウスモデルとトランスクリプトミクス、回路追跡法、機能的操作とを組み合わせることにより、微生物相が腸関連ニューロンに及ぼす影響の特徴を明らかにする。その結果、腸マイクロバイオームは腸外来性交感神経ニューロンを調節することが分かった。すなわち微生物相を除去すると、腸交感神経節において転写因子cFosの発現上昇が起こり、逆に無菌マウスに短鎖脂肪酸産生細菌を定着させると、cFosの発現が抑制された。化学遺伝学的操作、翻訳プロファイリング、順行性追跡からは、微生物相を介した腸交感神経ニューロンの調節において求心性の役割を担うと位置付けられた、遠位腸に投射する迷走神経サブセットが特定された。腸壁からの多シナプス性ニューロンの逆行性追跡からは、微生物を除去する時に活性化される脳幹感覚核に加えて、消化管通過を調節する前運動領域の遠心性交感神経のグルタミン酸作動性ニューロンも特定できた。これらの結果は、腸外来性交感神経の活性化が、腸–脳回路を介して微生物相依存的に制御されることを示している。

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