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物性物理学:WSe2によって安定化された金属性ねじれ2層グラフェンの超伝導
Nature 583, 7816 doi: 10.1038/s41586-020-2473-8
回転不整合が1.1°に近い魔法角ねじれ2層グラフェン(TBG)は、孤立したフラット電子バンドを特徴とし、これらのバンドは、相関絶縁相、超伝導相、強磁性相、トポロジカル相の豊富な相図を提供する。相関絶縁体と超伝導は、これまでは魔法角から0.1°以内の角度でのみ観測されており、隣接するか重なりあった電子密度範囲で生じる。しかしながら、これらの状態の起源と状態間の関係は、それらが微視的な細部に敏感なためまだよく分かっていない。TBGの相図が、ねじれ角とひずみ以上に、グラフェンシートの封入に使われる絶縁性の六方晶窒化ホウ素(hBN)の整合性と厚さに依存することは、微視的な誘電環境の重要性を示している。今回我々は、hBNとTBGの間に絶縁性の二セレン化タングステン(WSe2)単層を加えると、超伝導が、魔法角よりも大幅に小さいねじれ角で安定化されることを示す。0.79°という最小のねじれ角では、TBGが電子密度範囲全体にわたって金属的挙動を示すにもかかわらず、超伝導が依然として観測された。さらに、有限磁場測定の結果から、弱反局在の特徴だけでなく4回のスピン–バレー対称性の破れが明らかになった。これは、WSe2への近接性を通してTBGにスピン–軌道結合が誘起されることと一致する。今回の結果は、TBGにおける超伝導の出現に関する理論的説明を律し、モアレ系における量子相のエンジニアリングへの道を開くものである。

