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触媒:Ni担持触媒上でのアンモニア合成における空孔によるN2の活性化

Nature 583, 7816 doi: 10.1038/s41586-020-2464-9

アンモニア(NH3)は、肥料工業に極めて重要であり、最も多く製造される化学物質の1つとなっている。大気中の窒素(N2)の直接使用は、N2の結合エネルギーが大きい(945 kJ mol−1)ため、ハーバー・ボッシュ法が開発されるまでは困難であった。その後、N≡N結合の活性化障壁を下げてプロセス効率を向上させる多くの戦略が検討されてきた。これには、アルカリ金属やアルカリ土類金属の酸化物を促進剤として用い、遷移金属を通して促進剤からN2の反結合性結合に電子を移動させることによる従来の鉄系触媒やルテニウム系触媒の性能向上が含まれる。エレクトライド担体は、その低い仕事関数と高い電子密度によって遷移金属への電子移動を促すため、活性化障壁をさらに低下させる。この戦略によって、N2解離からのアンモニア合成が促進され、温和な条件下での触媒作用が可能になったが、これには高価なルテニウムが必要である。別の戦略として、表面に窒素空孔がある窒化物がN2を活性化できることが示されている。今回我々は、ニッケルを担持した窒化ランタン(LaN)が、通常では直面するスケーリング関係を回避できるデュアルサイト機構によって、安定かつ高効率なアンモニア合成が可能となることを報告する。速度論的実験、同位体標識実験、密度汎関数理論計算によって、窒素空孔がLaN表面において低い形成エネルギーで生成され、効率よくN2と結合してN2を活性化させることが確認された。さらに、窒化物上に担持されたニッケル金属は、H2を解離させる。窒素と水素という2つの反応物の活性化に異なるサイトを使用すること、そしてそれらの相乗効果の結果として、ニッケル担持LaN触媒が、ルテニウムの代替触媒として研究されてきた従来型のコバルト系触媒やニッケル系触媒をはるかにしのぎ、ルテニウム系触媒に匹敵する高い活性を示すようになる。今回の結果は、反応サイクルに空孔サイトを使用することの有効性を説明する良い例であり、自然界に豊富に存在する元素を用いるアンモニア合成触媒の設計コンセプトを提示するものである。

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