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幹細胞:体性幹細胞における転写動態の単一分子画像化

Nature 583, 7816 doi: 10.1038/s41586-020-2432-4

分子ノイズは、全ての生物系にもともと備わる自然現象である。確率論的過程が、組織の恒常性を支えるロバストな結果を生み出す仕組みは分かっていない。今回我々は、造血組織由来のマウス幹細胞において単一分子RNA蛍光in situハイブリダイゼーション(smFISH)を用い、転写因子PU.1(別名Spi1)、Gata1Gata2をコードする3つの重要な遺伝子の転写動態を測定した。その結果、転写の低頻度で確率論的なバーストによって、造血幹・前駆細胞の大部分でこれらの拮抗的な転写因子が共発現することが分かった。さらに、タイムラプス顕微鏡法でのsmFISHと細胞系譜の解析を対にすることにより、各幹細胞クローンからは転写プライミング現象と類似して転写的に関係のある状態の子孫細胞が生じるが、状態間の基本的な移行動態は確率論的で可逆的なモデルで最もよく捉えられることが分かった。このように、確率論的過程は、決定論的動態から生じたと誤って推定される可能性のある細胞挙動を生み出し得る。我々は、遺伝子発現の固有の確率論性が転写の可塑性と幹細胞のロバスト性を同時に維持するのを、妨げるのではなく、促進するというモデルを提案する。

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