タンパク質折りたたみ:BAM複合体上で折りたたまれている新生膜タンパク質の構造
Nature 583, 7816 doi: 10.1038/s41586-020-2370-1
ミトコンドリアや葉緑体、グラム陰性細菌は2層の膜に包まれており、外膜はβバレル構造を持つタンパク質を含んでいる。βバレルは、βストランドのシートが円筒を形成するように巻かれたもので、最初のストランドが最後のストランドと水素結合している。このようなタンパク質は、保存された多サブユニット分子機械によって折りたたまれ、外膜に挿入される。この機械のサブユニットの1つは、それ自身βバレルタンパク質で、他のβバレルの折りたたみに中心的な役割を果たしている。グラム陰性細菌のBAM(β-barrel assembly machine)は、βバレルタンパク質であるBamAと4つのリポタンパク質から構成されている。BAM複合体が外因性のエネルギー(例えばATP)を用いることなく折りたたみを促進する仕組みを解明するために、我々はこの機械上にある折りたたみ中間体を捕捉した。本論文では、BamA自体を折りたたんでいる大腸菌(Escherichia coli)BAM複合体の構造を報告する。触媒として働いているBamAは、基質のBamAと非対称な混成βバレルを形成している。触媒BamAのN末端の縁辺は、基質BamAのC末端の縁辺と逆平行になるように水素結合された界面を作っていて、これは以前の架橋研究の結果と一致している。触媒BamAと基質BamAのもう1つの縁は互いに近い位置にあるが、内側にカールしているために対を形成していない。膜環境内の6つの水素結合は、2つのタンパク質間の界面を非常に安定なものにしている。この安定性により折りたたみが可能となるのだが、折りたたみが終了した後の基質の解離に対しては、これが非常に高い速度論的障壁となる。この障壁は基質の各末端の特性によって乗り越えられ、水素結合の段階的な交換により解離が促進される。基質により支援される生成物解離のこの機構は、BAM複合体が折りたたみ中に基質と安定に結合し、次いで折りたたみが完了したときの基質の迅速な解離を可能にする仕組みを説明している。

