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神経変性:C9orf72は腸内細菌によって誘導される全身炎症および神経炎症を抑制する

Nature 582, 7810 doi: 10.1038/s41586-020-2288-7

C9ORF72のヘキサヌクレオチドリピート伸長は、筋萎縮性側索硬化症および前頭側頭型認知症に関与する最も一般的な遺伝的バリアントである。このC9ORF72変異は、機能獲得や機能喪失の機構を介して作用し、神経変性に関与するとされる経路を誘導する。この伸長は長い反復配列RNAに転写され、これがRNA結合タンパク質を隔離して悪影響を及ぼし、その後、非カノニカルな翻訳によって神経毒性のあるジペプチドタンパク質に翻訳される。RNAポリメラーゼがこの変異全体を読み取れない場合、内因性C9ORF72遺伝子産物の量も減少する。この遺伝子産物はエンドリソソーム経路で機能して、全身炎症および神経炎症を抑制する。重要なことに、筋萎縮性側索硬化症あるいは前頭側頭型認知症の有病率が高い家系では、このリピート伸長の影響は浸透度が不完全であり、これは遺伝要因あるいは環境要因のいずれかが各個体の疾患リスクを修飾することを示している。疾患修飾因子の特定は、筋萎縮性側索硬化症あるいは前頭側頭型認知症の発症リスクを軽減する、または進行を遅らせる戦略を示し得るために、トランスレーショナル研究の見地から大きな関心が寄せられている。今回我々は、免疫を刺激する細菌の量が減少した環境では、C9orf72変異マウスの早期死亡が防がれ、その原因となる全身炎症や自己免疫が大幅に軽減されることを報告する。C9orf72が微生物相の病的な炎症応答の誘導を防ぐ機能と一致して、この変異マウスで広域スペクトル抗生物質によって微生物量を減少させたり、防御的環境から腸内微生物相を移植したりすると、炎症開始後であっても炎症表現型が軽減した。今回の研究は、我々の腸の微生物組成が、脳の健康に重要な役割を担っていること、そして神経系障害のよく知られた遺伝的リスク因子と意外なやり方で相互作用する可能性があることを示すさらなる証拠となる。

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