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微生物学:抗PfGARP抗体はマラリア原虫のプログラム細胞死を活性化して重症マラリアを低減させる
Nature 582, 7810 doi: 10.1038/s41586-020-2220-1
熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)によって引き起こされるマラリアは、小児では依然として主要な単独死因であり続けているが、効果的なワクチンが開発される見込みはまだない。今回我々は、寄生虫である熱帯熱マラリア原虫の血液段階のプロテオームを解析するための以前に報告したディファレンシャルスクリーニング法を用いて、熱帯熱マラリア原虫のグルタミン酸リッチタンパク質(PfGARP)が、この寄生虫に起因するマラリアに比較的抵抗性のある小児の血漿中では抗体によって認識されるが、感受性のある小児の血漿中では認識されない寄生虫抗原であることを明らかにする。PfGARPは80 kDaの寄生虫抗原であり、栄養体早期から後期の熱帯熱マラリア原虫が感染した赤血球の外表面上に発現する。我々は、PfGARPに対する抗体が、熱帯熱マラリア原虫のプログラム細胞死を誘導して栄養体の感染した培養赤血球を殺傷すること、そして、PfGARPに対するワクチンを接種した非ヒト霊長類は、熱帯熱マラリア原虫によるチャレンジに対して部分的に保護されることを示す。さらに、我々の縦断的コホート研究から、自然発生的な抗PfGARP抗体を持つ被験者と比べて、抗PfGARP抗体を持たないタンザニアの小児では重症マラリアのリスクが2.5倍高く、これらの抗体を持たないケニアの若年者と成人では寄生虫密度が2倍高いことが分かった。PfGARPの抗原としての利用は、栄養体の感染した赤血球を殺傷することで、熱帯熱マラリア原虫の肝細胞への侵入、赤血球への侵入、赤血球からの脱出を標的とする他のワクチンと相乗的に働く可能性がある。

