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物性物理学:SrTiO3ラシュバ系におけるスピン–電荷変換の不揮発的な電気的制御
Nature 580, 7804 doi: 10.1038/s41586-020-2197-9
現在のエレクトロニクス技術は、50年にわたる発展を経て、加工寸法が10 nm未満と物理的限界に近づいている。また、情報通信システムの消費電力は増加の一途をたどっており、その抑制が必要であることも明らかになってきている。これらの2つの要因から、従来とは異なる材料と状態変数の導入の必要性が生じる。最近明らかにされたように、フェロイック系における集団的スイッチングに伴う残留磁気は、消費電力を低減させる魅力的な方法である。スピントロニクスは有望な方法の1つで、強磁性体を利用して不揮発性を付与するとともにスピン流を生成・検出する。しかし、スピン移動トルクによる磁化反転は、電力を多く消費する過程である。このため、磁化の低電力電場制御を実現すべく、マルチフェロイクスに関する研究が推進されているが、実用的な材料が乏しい上、電気磁気スイッチングの制御は困難である。本論文では、非磁性系において、低電力スピン検出を実現する代替戦略を実証する。我々は、電場によって誘起されるチタン酸ストロンチウム(SrTiO3)の強誘電体的な状態を利用して、二次元電子ガスのスピン–軌道特性を操作し、スピン流を分極方向に応じて正または負の電荷流に効率よく変換した。この不揮発的な効果は、スピン流の電場制御や超低電力スピントロニクスへの道を開くものであり、そうしたスピントロニクスでは、強磁性ではなく強誘電性によって不揮発性がもたらされると考えられる。

