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細胞生物学:DELE1によって調整される経路がミトコンドリアストレスを細胞質ゾルへと伝達する

Nature 579, 7799 doi: 10.1038/s41586-020-2076-4

ミトコンドリアの機能的完全性は細胞の恒常性全般と密接に結び付いており、加齢やさまざまな疾患で損なわれる。哺乳類細胞では、ミトコンドリアの機能不全は統合的ストレス応答が起こる細胞質ゾルへと伝えられる必要があり、このストレス応答はeIF2α(eukaryotic translation initiation factor 2α)のリン酸化によって引き起こされる。eIF2αのリン酸化は、GCN2、HRI、PERK、PKRという4つのeIF2αキナーゼを介して起こり、これらのキナーゼはさまざまなタイプの細胞ストレスによって活性化される。しかし、ミトコンドリアの擾乱を細胞質ゾルへと伝えて統合的ストレス応答を誘発する仕組みは、まだ知られていない。今回我々は、ゲノム工学と一倍体遺伝学を組み合わせて、統合的ストレス応答の主要因子であるCHOP(C/EBP homologous protein)の誘導に影響する遺伝子を、不偏的に特定した。ミトコンドリアのプロテアーゼであるOMA1と、ほとんど性質の解明されていないタンパク質のDELE1が、HRIと共に、ミトコンドリアストレスによって作動するこれまでに知られていなかった経路を構成していることが明らかになった。機序としては、ストレスによるOMA1の活性化がDELE1の切断を引き起こし、生じた短いDELE1が細胞質ゾルに蓄積して、そこでC末端部分を介してHRIに結合し、これを活性化する。この経路の阻害は、ミトコンドリアの擾乱のタイプによって、有益にも有害にもなり得る。この経路の中核となるこれらの構成要素に加えて、比較遺伝学的スクリーニング戦略により、他の調節因子群も特定された。以上より、これらの知見は、ヒトの疾患におけるミトコンドリア機能不全に対して細胞応答を調節するという将来的な戦略への手掛かりとして使用できるかもしれない。

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