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神経科学:嗅受容器と神経回路の進化が宿主特化を促す

Nature 579, 7799 doi: 10.1038/s41586-020-2073-7

動物の行動の進化は、理解が進んでいない。種間での行動の多様性と神経系の構造・機能との間の相関例は多数知られているが、こうした行動の差異の遺伝的基盤を示した研究はほとんどない。今回我々は、1つの神経遺伝学的モデル動物として、セーシェルショウジョウバエ(Drosophila sechellia)を樹立した。この種は、近縁のキイロショウジョウバエ(D. melanogaster)とは行動に著しい差異がある。それはヤエヤマアオキ(Morinda citrifolia;別名ノニ)の果実への極端な特化である。我々は、カルシウム画像化法を用いて、ヤエヤマアオキから発せられる揮発性物質を感知するセーシェルショウジョウバエの嗅覚経路を突き止めた。変異解析から、ヤエヤマアオキへの短距離と長距離の誘引において、異なる嗅受容器が役割を担うことが分かり、また、種間でのアレル置換実験から、これらの受容器の1つの調整が種特異的な宿主探索に重要なことが実証された。我々は、この機能的変化の分子的決定因子群を明らかにし、それらの進化的起源と行動上の重要性を解析した。セーシェルショウジョウバエの脳の回路トレーシングを行ったところ、受容器適応に伴って、介在ニューロン上への感覚情報集中の亢進と種特異的な中枢投射パターンが見られた。本研究は、分子的・生理的・解剖学的形質の集積が種間の行動の差異と関連していることを明らかにし、種分化と神経系の進化を研究するための1つのモデル系を定義するものである。

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