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腫瘍免疫学:ガスダーミンEは抗腫瘍免疫を活性化して腫瘍増殖を抑制する

Nature 579, 7799 doi: 10.1038/s41586-020-2071-9

ガスダーミンタンパク質の切断によってポア形成性アミノ末端断片が形成されると、炎症性細胞死(ピロトーシス)が起こる。加齢関連の家族性難聴で変異が見られるガスダーミンE(GSDME、別名DFNA5)はカスパーゼ3によって切断されることがあり、これによって、GSDME発現細胞では非炎症性アポトーシスからピロトーシスへの転換が起こる。GSDMEの発現は多くのがんで抑制されており、GSDMEレベルの低下は乳がんによる生存率の低下と関連しているため、GSDMEが腫瘍抑制因子である可能性が示唆される。今回我々は、調べたがん関連GSDME変異22例のうち20例でGSDME機能が低下していたことを示す。マウスにおいて、GSDMEを発現する腫瘍でGsdmeをノックアウトすると腫瘍増殖が亢進したが、Gsdmeが抑制された腫瘍でGSDMEを異所的に発現させると腫瘍増殖が阻害された。この腫瘍抑制は細胞傷害性リンパ球を介して起こり、パーフォリン欠損マウスや細胞傷害性リンパ球が枯渇したマウスでは見られなくなった。GSDMEの発現は、腫瘍関連マクロファージによる腫瘍細胞のファゴサイトーシスを増強し、腫瘍に浸潤するナチュラルキラー細胞やCD8+ Tリンパ球の数の増加や機能の亢進を引き起こした。細胞傷害性リンパ球のグランザイムBも、カスパーゼ3と同じ部位でGSDMEを直接切断することにより、標的細胞でカスパーゼ非依存的ピロトーシスを活性化する。切断やポア形成のできないGSDMEタンパク質には腫瘍抑制機能がない。従って、腫瘍GSDMEはピロトーシスを活性化し、抗腫瘍免疫を高めることで、腫瘍抑制因子として働いている。

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