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微生物学:バクテリオファージの核類似区画はファージDNAをCRISPRヌクレアーゼから守る
Nature 577, 7789 doi: 10.1038/s41586-019-1786-y
自身が感染した細胞の免疫経路を抑制する、もしくはそれから逃れるための戦略は、全てのウイルスに必要である。細菌に感染するウイルスであるバクテリオファージ(ファージとも呼ばれる)が効率的に複製するには、CRISPR–Cas系や制限修飾系などの核酸を標的とする免疫経路を回避しなければならない。今回我々は、ジャンボファージΦKZはタンパク質性の核類似区画を構築して、宿主である緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)の免疫ヌクレアーゼからファージDNAを隔離していることを示す。ΦKZは、in vivoでDNAを標的とする多数の免疫機構、すなわちCRISPR–Cas3の2つのサブタイプ、Cas9、Cas12aや、制限酵素であるHsdRMSおよびEcoRIなどに対して抵抗性である。Casタンパク質や制限酵素は、感染過程全体を通してファージDNAに接近できないが、この区画内にEcoRIを移動させる操作を行うと、ファージを標的として宿主細胞を保護できるようになる。さらに、ΦKZはRNAを標的とするCRISPR–Cas酵素であるCas13aには感受性で、これはおそらくファージmRNAが細胞質に局在しているためであろう。まとめると、シュードモナス属(Pseudomonas)細菌に感染するジャンボファージは、ファージゲノムの周囲にタンパク質の障壁を組み立てることにより、DNAを標的とする多様なヌクレアーゼを回避していると考えられる。

