Article
太陽物理学:太陽近傍の太陽風内のアルヴェン波速度スパイクと回転流
Nature 576, 7786 doi: 10.1038/s41586-019-1813-z
超音速の太陽圏が存在するという予測は、最初に地球近傍の探査機によって、その後太陽中心から太陽半径の62倍程度という近距離にある探査機によって裏付けられた。こうしたミッションによって、プラズマがコロナから出現する際に加速しており、これが太陽風内にエネルギーが蓄えられる前に太陽から外側にエネルギーを輸送する過程によって促進されていることが明らかになっているが、その過程はまだ特定されていない。アルヴェンゆらぎは、コロナと太陽風の中に観測されており、かなりのエネルギーを持っているため、そうした過程の有力な候補である。磁気張力は、コロナを太陽と共回転させるが、今までに報告された太陽から遠く離れた場所に残留しているいかなる回転成分も、波の振幅や相互作用している太陽風の流れからの偏位に比べてはるかに小さい。本論文では、流れの相互作用が重要になる距離の十分内側の、太陽中心から太陽半径の約35倍の距離での、太陽風プラズマの観測結果について報告する。我々は、アルヴェン波が組織化して、持続時間が最長で数分の構造化された速度スパイクを形成し、これが磁力線のS状カーブの伝播と関連していることを見いだした。我々は、太陽の周囲の太陽風の流速に対する回転成分の増幅を検出した。そのピークは秒速35〜50 kmで、波の振幅よりかなり大きい。こうした流れは、秒速数キロメートルという従来の予測を上回っており、コロナの循環モデルや、星が経年とともにどのように角運動量を失い自転を減速させるのかに関する我々の理解に疑問を投げ掛けるものである。

