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遺伝学:ヒト胚におけるクロマチン構造の確立にCTCFが担う重要な役割

Nature 576, 7786 doi: 10.1038/s41586-019-1812-0

細胞周期の間期では、クロマチンは核内で階層構造に配置されており、この構造は遺伝子発現の調節に重要な役割を担っている。しかし、ヒト胚形成過程におけるクロマチンの3D構造の動態は分かっていない。今回我々は、ヒトの精子細胞は、マウスの精子細胞と異なり、クロマチン調節因子CTCFを発現しておらず、そのクロマチンはトポロジカルドメイン(TAD)を持たないことを報告する。ヒトではTADの構造は、受精後の胚発生過程で徐々に確立される。さらにヒト胚では、A/B区画化が2細胞期に喪失し、胚形成過程で再確立される。また、接合子ゲノム活性化(ZGA)を阻止すると、ヒト胚ではTADの確立が抑制されるが、マウスやショウジョウバエ(Drosophila)では抑制されなかった。さらに、CTCFは、ZGAの前には非常に低いレベルで発現していて、その後TADが観察されるZGA段階で高発現することは重要である。CTCFノックダウン胚ではTADの組織化が大幅に低下していることから、ヒト胚におけるZGA時のTAD確立にはCTCFの発現が必要であると考えられる。我々の結果から、CTCFは、ヒトの胚形成の際のクロマチンの3D構造の確立に重要な役割を担っていることが示された。

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