太陽物理学:Fコロナの減少とKコロナの微細構造の太陽近傍での観測
Nature 576, 7786 doi: 10.1038/s41586-019-1807-x
電子によって散乱された太陽光球の光(Kコロナ)と塵によって散乱された太陽光球の光(Fコロナあるいは黄道光)の遠隔観測は、日食の間に地上から行われたり、太陽まで0.3天文単位という近距離の宇宙空間で行われたりしている。塵の散乱を観測したこれまでの結果からは、理論的に予測された太陽近傍の塵のない領域の存在は確認されていない。コロナの過渡的な性質は、大規模な事象についてはよく特徴付けられているが、例えば、コロナの始まりや太陽の高エネルギー粒子の生成など、依然として複数の疑問が残っており、小規模な事象についてはその構造すらよく分かっていない。本論文では、パーカー・ソーラー・プローブ探査機の最初の2回の近日点通過(0.16〜0.25天文単位)における、それぞれ10日間継続した太陽コロナ撮像結果について報告する。こうした近距離からの観測結果は、地上や宇宙空間からのこれまでの観測結果と定性的には類似しているが、顕著な違いがいくつかあった。我々は、低離角でFコロナの強度の減少を観測しており、これは長年探し求められてきた塵のない領域の存在を示唆している。さらに我々は、太陽から頻繁に放出される、非常に小さな爆発のプラズマの微細な構造も解像した。これらの爆発のプラズマは2つの形態をとり、1つは頻繁に観測される磁気フラックスロープで、もう1つは電流シートの引き裂きモード不安定性から生じる、予測されているがまだ観測されていない磁気アイランドである。今回のコロナストリーマーの進化の観測は、太陽コロナの大規模なトポロジーの存在を裏付けているだけでなく、最近予測された通り、ストリーマーが、確認できるあらゆるスケールでの連続的な密度ゆらぎを伝えるさらに小さなサブストリーマーからなることも明らかにしている。

