Article
微生物学:微生物による光駆動型で嫌気的なマンガン酸化
Nature 576, 7786 doi: 10.1038/s41586-019-1804-0
酸素発生型光合成は現代の生物圏に有機酸素を供給しているが、この代謝がいつ生じたのかは不明である。これまでに出されていた説では、太古代の堆積岩中に酸化マンガンが存在していたという推定に基づいて、水を分解できる光合成反応中心はおよそ30億年前までには生じていたとされている。しかしこの説は、酸化マンガンは分子状酸素や活性酸素種、あるいは高電位の光合成反応中心が存在する時にだけ生じ得るという前提に基づいている。今回我々は、酸素非発生型光合成微生物群集が、分子状酸素や高電位光合成反応中心が存在しなくても、酸化マンガンを生体鉱物化作用(バイオミネラリゼーション)により形成することを明らかにする。太古代の完全な嫌気的条件下で起こった微生物によるMn(ii)の酸化は、酸素発生型光合成の進化の時期を「大酸化イベント」以前とするのに用いられたのと同一の地球化学的証拠を作り出しただろう。光に依存するこの酸化過程はまた、現代の無酸素水塊や無酸素堆積物の有光層でも酸化マンガンを産生させている可能性がある。

