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免疫学:胆汁酸代謝物はTH17とTreg細胞の分化を制御する
Nature 576, 7785 doi: 10.1038/s41586-019-1785-z
胆汁酸は哺乳類の腸内に豊富に存在し、そこで細菌による変換を受けて生理活性分子の大規模なプールが生成される。胆汁酸は、宿主の代謝、がんのプログレッション、自然免疫に影響することが知られているが、IL-17aを発現するヘルパーT細胞(TH17細胞)や制御性T細胞(Treg細胞)のような適応免疫細胞に影響を与えるかどうかは分かっていない。今回我々は、胆汁酸代謝物ライブラリーをスクリーニングし、リトコール酸(LCA)の2つの異なる誘導体である3-オキソLCAとイソアロLCAが、マウスにおけるT細胞調節物質であることを見いだした。3-オキソLCAは、重要な転写因子であるレチノイド関連オーファン受容体γt(RORγt)に直接結合してTH17細胞の分化を阻害し、イソアロLCAは、FOXP3の発現増加をもたらすミトコンドリアの活性酸素種(mitoROS)の産生を介してTreg細胞の分化を増加させた。イソアロLCAを介したTreg細胞分化の増進には、Foxp3のイントロン内のエンハンサーであるCNS(conserved noncoding sequence)3が必要であった。これは、以前に見つかっている、CNS1を必要としTreg細胞分化を増加させる代謝物のものとは異なる作用様式である。3-オキソLCAとイソアロLCAのマウスへの投与は、腸の粘膜固有層において、それぞれTH17細胞分化の減少とTreg細胞分化の増加を引き起こした。我々のデータは、胆汁酸代謝物がTH17細胞とTreg細胞のバランスを直接調節することにより宿主の免疫応答を制御する機構を示唆している。

