Article
地球科学:巨大逆断層地震の深さ依存性の破壊挙動を決定する上盤プレートの剛性
Nature 576, 7785 doi: 10.1038/s41586-019-1784-0
地震データから、沈み込み帯の巨大逆断層で起こる地震(巨大逆断層地震)の深さに依存する破壊挙動を示す証拠が得られる。同程度のマグニチュードのより深い地震と比べて、浅い地震の破壊では、すべりがより大きくて継続時間がより長く、放出されるエネルギーは高周波数成分が少なく、表面波マグニチュードとモーメントマグニチュードとの間に大きな違いがある。浅い地震の破壊は、このような震源の性質によって、明瞭な前兆なしに破壊的な津波が生じる傾向にある。深さに依存する破壊挙動は一般に、断層の力学的性質の変化に起因するとされる。しかし、概念的モデルでは今のところ、こうした対照的な観測結果の本質的な物理的原因を特定できておらず、観測結果を予測し関連付ける定量的な枠組みは得られていない。本論文では、観測された違いが断層の力学的性質の変化を必要としないことを立証する。我々は、世界各地の沈み込み帯から得られた圧縮波速度モデルを用いて、それらの根底にある共通の原因が、上盤プレート(巨大逆断層の上側にある岩盤で、地震時すべりにおける動的な応力伝達によって変形する)の下部における剛性の系統的な深さ変化であることを示す。実際の弾性特性を震源深さの正確な見積もりと組み合わせることで、地震時すべりの量(地震発生時の断層運動)の予測が可能になり、マグニチュードの確実な見積もりと早期津波警報の可能性が得られる。

