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計算生物学:遺伝子発現の地図作製
Nature 576, 7785 doi: 10.1038/s41586-019-1773-3
個々の細胞でのマルチプレックスRNA塩基配列解読法によって、基礎および臨床の生命科学は変革を遂げている。しかし多くの場合、まずは組織を解離させる必要があるため、細胞間の空間的な関係やコミュニケーションについての重要な情報が失われる。組織を再構築する既存の手法では、各細胞に空間的な位置を、マーカー遺伝子の発現の空間的パターンを用いて他の細胞とは独立に割り当てているが、マーカー遺伝子は存在しないことが多い。今回我々は、塩基配列解読された細胞の空間的な配置(近傍の細胞は、常にではないが多くの場合に遠く離れた細胞よりも類似した転写プロファイルを持つ)を検索することにより、予備知識をほとんどあるいは全く持たずに空間的な位置を再構築した。我々は、このタスクを確率的埋め込みのための一般化最適輸送問題として定式化し、これを解くための効率的な反復アルゴリズムを導いた。我々は、哺乳類の肝臓と腸上皮、ハエとゼブラフィッシュの胚、哺乳類の小脳と腎臓全体の切片において遺伝子の空間的発現を再構築し、この再構築された組織を用いて、空間的な情報を有する遺伝子群を特定した。このように、動物組織における遺伝子の空間的発現を統合する原則が明らかになり、これは個々の細胞の空間的な位置について、意味のある確率を推測するために利用できる。我々の枠組み(「novoSpaRc」)は、以前の空間的情報を組み込むことができ、どのような単一細胞技術とも互換性がある。我々の手法を用いることで、遺伝子発現の地図作製の基礎となるさらなる原則を検討することができる。

