量子光学:微小光共振器と強く結合したゲート型量子ドット
Nature 575, 7784 doi: 10.1038/s41586-019-1709-y
共振器量子電気力学(QED)の強結合領域は、完全な量子レベルでの光–物質相互作用を表している。光子を1個加えると共鳴周波数がシフトし、強い非線形性を示す。共振器QEDは、量子光学のテストベッドであるとともに、光子–光子エンタングリングゲートや原子–原子エンタングリングゲートの基礎である。マイクロ波周波数では、共振器QEDは革新的な影響をもたらし、これによって超伝導回路における量子ビット読み出しや量子ビット結合が可能になった。光周波数では、ゲートがはるかに高速化する可能性があり、光子は長距離にわたって伝播して容易に検出できる。単一原子に関する先駆的研究に続いて、半導体量子ドットを用いた固体実装が登場しているが、電荷雑音や散乱損失を生じさせずに半導体共振器を小型化することは、依然として難題である。今回我々は、超低損失で周波数可変のゲート型微小共振器デバイスを提示する。このデバイスでは、量子ドットの電荷と共鳴周波数の両方を、ゲートによって電気的に制御できる。さらに、量子ドット–共振器共鳴時でも裸の共振器モードが観測されるという共振器フィーディングは排除される。量子ドットの線幅は、微小共振器内部であっても放射限界に近い。我々は、スペクトル領域における非常に顕著な擬交差に加え、時間領域において「原子」(量子ドット)と共振器の間の単一エネルギー量子の明確なコヒーレント交換(真空ラビ振動)を観測した。一方で、デコヒーレンスは、主に原子・光子損失チャネルを通して生じていた。我々は、このコヒーレンスを活用し、光子統計分光法を用いて、光子–原子系の単一励起と二重励起の間の遷移を調べた。今回の研究は、単一光子源や光子–光子ゲートなど、半導体を用いた量子フォトニクスの開発への道筋を確立するものである。

