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物性物理学:グラフェンの量子ホール状態における仕事と散逸の画像化

Nature 575, 7784 doi: 10.1038/s41586-019-1704-3

トポロジーは、局所的な摂動に対して量子状態を大域的に保護できる可能性を主張する強力な最近の概念である。そのため、無散逸のトポロジカルに保護された状態は、基礎として非常に興味深いだけでなく、計測学や量子情報技術における実用面でも重要である。トポロジカル保護は、理論的にはロバストにできるが、現実のデバイスではさまざまな散逸機構の影響を受けやすく、こうした機構はその起源が微視的なため、直接調べるのは難しい。今回我々は、走査型ナノ温度測定法を用いて、グラフェンの量子ホール状態で無散逸輸送を弱める微視的な機構を可視化して調べた。同時に行ったナノスケールの熱的な走査型ゲート顕微鏡法によって、この散逸は、エッジ再構成の結果としてグラフェン境界に現れる上流へのチャネルと下流へのチャネルの対向伝播するペア間のクロストークによって支配されることが示された。しかしその散逸機構は、局所的なジュール加熱ではなく、2つの異なる空間的に離れた過程で構成されている。今回直接画像化した仕事を生み出す過程には、こうした量子チャネル間での電荷キャリアの弾性トンネリングが関与しており、この過程によって輸送特性が決まるが局所的な熱は生じない。対照的に、独立して可視化された熱とエントロピーの生成過程は、グラフェンエッジの単一原子欠陥による共鳴非弾性散乱によって非局所的に起こり、輸送には影響を及ぼさない。今回の結果から、真のトポロジカル保護を隠している機構に関する知見が得られるとともに、デバイス応用のためのさらにロバストな量子状態を作り出すための道筋が示唆される。

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