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構造生物学:カットアンドペースト方式で転位する際のRAG様トランスポザーゼの構造

Nature 575, 7783 doi: 10.1038/s41586-019-1753-7

ゲノムの進化に非常に重要な役割を果たしてきたトランスポゾンは、有顎脊椎動物の適応免疫系に不可欠な要素であるRAG1–RAG2リコンビナーゼの進化上の祖先と考えられている。今回我々は、アメリカタバコガ(Helicoverpa zea)のRAG様トランスポザーゼであるTransibについて、結晶構造を1つとクライオ(極低温)電子顕微鏡構造5つを明らかにした。これらの構造は、アポ酵素からトランスポゾンの末端が標的DNAに共有結合で連結されている最終段階の鎖転位複合体まで、転位過程の全段階を3.0~4.6 Åの分解能で捉えている。これらの構造から、チョウの形をした複合体が2回の著しいコンホメーション変化サイクルを経ることが分かった。すなわち、トランスポザーゼの「翅」が開いて基質DNAに結合し、閉じて切断を行い、また開いて両側のDNAを放し、再び閉じて標的DNAを捉えて攻撃する。Transibには、パートナーであるRAG2がないことを補うための独特な構造要素があり、そこには転位の標的部位と相互作用するループが1つとアコーディオンに似たC末端尾部が含まれる。この尾部は、伸びたり縮んだりして酵素の開閉の制御や活性部位の組み立てを助ける。これらの知見から、カットアンドペースト方式で機能する真核生物トランスポザーゼの反応経路の詳細が明らかになり、RAGリコンビナーゼの進化の最も初期の段階の一端が見えてきた。

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