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細胞生物学:TRF2のCDKリン酸化が細胞周期におけるtループの動態を制御する
Nature 575, 7783 doi: 10.1038/s41586-019-1744-8
シェルタリン複合体によるテロメアの末端の保護が、DNA損傷シグナル伝達と染色体末端のでたらめな修復を防いでいる。テロメアの一本鎖になった3′末端は投げ縄に似たtループ構造をとることを示す証拠が得られており、このtループが染色体末端を保護して、DNA二本鎖切断と認識されないようにしていると考えられている。同時に、テロメアの正確な複製を可能にして、末端複製問題の解決のためにテロメラーゼが3′末端に接近できるよう、tループを一時的に解離させる仕組みも存在するはずである。しかし、テロメア末端の保護におけるtループの調節と生理学的重要性は、いまだに解明されていない。今回我々は、シェルタリンサブユニットのCDKリン酸化部位がTRF2のSer365であることを明らかにする。S期に、これがPP6R3ホスファターゼによって脱リン酸されるとわずかな時間的猶予が生じ、その間にRTEL1ヘリカーゼが一時的にtループに接近してほどき、テロメアの複製を促進する。S期を離れると、テロメアからRTEL1を遊離させるために、TRF2のSer365の再リン酸化が必要になる。これは、tループがでたらめにほどけてATMの不適切な活性化が起こるのを防ぐだけでなく、テロメア内部やゲノム全域で生じるDNAの二次構造の所で複製が進まなくなるのを防ぐ。従って、TRF2のリン酸スイッチは、細胞周期中のtループの形成と分解を調整しており、これがテロメアを複製ストレスから守り、予定外のDNA損傷応答を防いでいる。

