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がん:共生パピローマウイルスに対する免疫は皮膚がんを防ぐ

Nature 575, 7783 doi: 10.1038/s41586-019-1719-9

免疫抑制は、ウイルス感染に関連するがんのリスクを高める。特に、β-ヒトパピローマウイルス(β-HPV)感染と関連付けられている皮膚扁平上皮細胞がんのリスクは、免疫が抑制された患者では100倍以上高くなる。これまでの研究では、HPVが皮膚がん発生を引き起こす原因となる役割は確立されていない。今回我々は、共生パピローマウイルスに対するT細胞免疫が、正常な免疫能を持つ宿主において皮膚がんを抑制すること、また、HPVの発がん効果ではなく、この免疫の喪失が、免疫が抑制された患者において皮膚がんのリスクの顕著な上昇を引き起こすことを示す。我々は、パピローマウイルスが発がん物質が駆動する皮膚がんに及ぼす影響を調べるため、正常な免疫能を持ついくつかのマウス系統に、マウスパピローマウイルス1型(MmuPV1)を定着させた。定着後のMmuPV1に対して自然免疫を持つマウスや、免疫マウスからのT細胞移入あるいはMmuPV1ワクチン接種による獲得免疫を有するマウスでは、化学物質あるいは紫外線照射によって誘発される皮膚発がんがCD8+ T細胞依存的な様式で防御された。25種類の共生β-HPVに対するRNAやDNAのin situハイブリダイゼーションプローブから、ヒトの皮膚がんでは、隣接する健康な皮膚と比較して、ウイルスの活性や量が有意に減少していることが明らかになった。これは、ウイルス陽性悪性細胞に対する強力な免疫選択があることを示唆している。これと一致して、β-HPV由来のE7ペプチドは、ヒトのβ-HPV非罹患皮膚のCD8+ T細胞を活性化した。我々の知見から、共生ウイルスの有益な役割が明らかになり、我々の皮膚のあらゆる場所に存在する共生HPVに対する免疫をブーストすることによって皮膚がんの発生を阻止できる、免疫に基づく手法の基盤が確立された。

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