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社会科学:銀行員文化とそれが不誠実さに与える影響の不均一性

Nature 575, 7782 doi: 10.1038/s41586-019-1741-y

社会科学は、いわゆる「再現性の危機」にさらされている。研究室やクラウドソースのワーカープラットフォームのような利用しやすい集団から極めて影響力のある知見が得られても、それらは必ずしも再現可能ではない。利用しづらい集団から得られた知見の再現にはあまり注意が向けられておらず、注目度の高い最近の再現の取り組みでは、はっきりとそうした集団が排除されている。先駆的な実験研究から、銀行員文化を垣間見るまれな機会が得られており、銀行員は、他の職業とは違って、自分の仕事について考えるときに不誠実さが増すことが示された。銀行業界の重要性を考えれば、そして、研究者や政策立案者が銀行文化の正確な診断としてこうした知見を信頼する前に、それらの一般化可能性を探査することは正当である。今回我々は、3大陸の異なる5集団に属する銀行員および非銀行員を対象に、同一の報奨金付き課題を行った(参加者数n = 1282)。中東およびアジア太平洋地域での銀行員研究(それぞれn = 148、n = 620)では、ある程度の不誠実さが観察されたが、元になった研究とは対照的に、仕事について考えるよう促した銀行員の場合は、それを促さなかった銀行員と比較して、不誠実さに有意な高まりは見られなかった。また、非銀行員に自分の仕事について考えるよう促しても、誠実さに有意な影響が生じないことも明らかになった。銀行員に関する知見の違いを説明するために、サンプリングおよび方法論の相違を検討したところ、重要な2つのポイントが特定された。第一に、銀行員の行動に関する一般集団の期待が地域ごとに異なっており、元になった研究が行われた地域の銀行文化が世界的に不変なものではない可能性が示唆された。第二に、金融機関27社に声を掛けたところ、それらの多くが不都合な知見に関する懸念を表明したことから、健全な文化を有する銀行のみが今回の研究に参加したことが予想される。この第二の点は、あらゆる同様の実地研究の一般化可能性を損ねると考えられる潜在的な選択バイアスを示している。さらに広い意味では、今回の研究は、組織の障壁や地理的な障壁が原因で利用するのが難しい集団において広く報道された扱いに注意を要する実地研究を極めて忠実に再現しようとする際の複雑性をはっきりと示している。政策立案者にとって、本研究は元となった研究の知見を他の集団で一般化する際には注意を払う必要があることを示唆している。

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