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気候科学:氷河が将来的に存在しなくなる氷河流域における水力発電と貯水の大きな可能性

Nature 575, 7782 doi: 10.1038/s41586-019-1740-z

氷河は、気候変動によって広範囲にわたって後退しており、水資源の減少、河川流出量の季節性の変化、雪氷圏に関連する災害などの悪影響に、多くの関心が集まっている。本論文では、別の側面に注目し、今世紀中に氷結しなくなると予想される地域における貯水と水力発電の可能性を探る。我々は、現在氷河が存在する約18万5000か所について、新たに現れる可能性のある貯水池の容量と水力発電の可能性を予測した。その結果、気候によって駆動される氷河変動モデルと地形分析を用いて、理論的な最大貯水量が875 ± 260 km3(95%信頼区間)、水力発電の可能性が年間1355 ± 515テラワット時(TWh)であると見積もられた。環境要因、技術的要因、経済的要因を考慮した適合性の一次評価によって、こうした可能性の約40%(355 ± 105 km3の貯水量および年間533 ± 200 TWhの発電量)が実現に適している可能性があることが分かった。潜在的な貯水量の4分の3が2050年までに氷結しなくなると予想されており、この貯水量は、調べた地点の年間河川流出量の約半分を保持するのに十分であると思われる。地域的な影響は事例ごとに評価する必要があると思われるが、今回の結果は、いくつかの国、特にアジアの高山地帯において、退氷した氷河流域が国のエネルギー供給に大きく寄与する可能性を示している。

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