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高エネルギー物理学:反陽子とアクシオン型暗黒物質との相互作用の直接測定で得られた限界
Nature 575, 7782 doi: 10.1038/s41586-019-1727-9
天体物理学の観測結果は、宇宙には通常のバリオン物質よりおおむね5倍多い暗黒物質が存在し、さらに大きい宇宙エネルギーが暗黒エネルギーに起因することを示している。しかし、これらの暗黒成分の微視的な特性はまだ分かっていない。さらに、素粒子物理学の標準模型は、この宇宙では反物質よりも物質が支配的であることの一貫した説明ができていないことを考えると、宇宙のエネルギー密度の5%を占める通常の物質さえまだ理解されていないといえる。今回我々は、反物質と暗黒物質の相互作用を直接探索し、超軽量アクシオン型素粒子(暗黒物質の候補)と反陽子との相互作用に対して直接の制限を加えた。もし反陽子が陽子よりもこうした素粒子に対して強く結合していれば、そのような物質–反物質の非対称な結合から、宇宙の暗黒物質とバリオン非対称性の関係が明らかになる可能性がある。そのため、ペニングトラップ中の単一反陽子のスピンフリップ共鳴データを周波数領域で分析して、超軽量アクシオンの質量に対応する特性周波数の反陽子のスピン歳差への影響を探索した。今回の分析によって、アクシオン–反陽子相互作用パラメーターが、2 × 10−23〜4 × 10−17 eV c−2の質量範囲で0.1〜0.6 GeVより大きい値へと制限された。これは、天体物理学的な反陽子限界に比べて最大で5桁の向上になる。さらに、標準模型の非最小拡張版のこれまで制限のついていなかった、ローレンツ不変性とCPT不変性を破る6種類の項の限界も導かれた。

