胚形成:カスパーゼ-8によるRIPK1の切断はアポトーシスやネクロトーシスの抑制に重要である
Nature 574, 7778 doi: 10.1038/s41586-019-1548-x
アスパラギン酸特異的システインプロテアーゼであるカスパーゼ-8は、RIPK3とMLKLを介したネクロトーシスによる細胞死を抑制する。実際に、カスパーゼ-8を欠損したマウスは、胚形成中にRIPK3とMLKLに依存した様式で死亡する。ヒトでは、カスパーゼ-8欠損は免疫不全や超早期発症型炎症性腸疾患と関連している。しかし、カスパーゼ-8によって切断され、in vivoでネクロトーシスを防いでいる基質は明らかになっていない。今回我々は、触媒活性のないカスパーゼ-8(C362A)を発現するノックインマウスは、カスパーゼ-8欠損マウスと同様に、MLKL依存的なネクロトーシスによって胚期に死亡することを示す。このように、カスパーゼ-8がネクロトーシスを抑制するためには、それ自体や他のタンパク質、あるいはその両方を切断する必要がある。自己切断できないカスパーゼ-8(D212A/D218A/D225A/D387A)を発現するマウスは、カスパーゼ-8による切断が起こらないように変異させたc-FLIPやCYLDタンパク質を発現するマウスのように、生存可能であった。対照的に、カスパーゼ-8の切断部位である325番目のアスパラギン酸を変異させたRIPK1(D325A)を発現するマウスは、妊娠中期に死亡した。胎生致死は、RIPK1の不活性化やTNFR1の欠損、MLKLとカスパーゼ-8のアダプターであるFADDの両方の欠損によって抑制されたが、MLKLのみの欠損では抑制されなかった。従って、RIPK1(D325A)はTNFや、RIPK1のキナーゼ活性、FADD–カスパーゼ-8を介して細胞死を引き起こすようである。結果的に、切断されたカスパーゼ-3を含み、細胞死を起こしている内皮細胞は、Ripk1D325A/D325A胚の卵黄嚢に異常に多く存在していた。Ripk1D325A/+ヘテロ接合の細胞とマウスは生存可能であったが、野生型の細胞やマウスよりもTNF誘導性の細胞死に対する感受性がやはり高かった。我々のデータは、RIPK1の325番目のアスパラギン酸は、TNFへの応答における異常な細胞死を制限するために必須であることを示しており、これは、カスパーゼ-8によるRIPK1の切断が、細胞死誘導複合体を解体する機構であるという考えと一致する。

