Letter

免疫療法:改変T細胞を用いた心筋繊維化の標的化

Nature 573, 7774 doi: 10.1038/s41586-019-1546-z

繊維化は、ほとんどどの形態の心筋疾患にも認められる。心臓の繊維芽細胞は、損傷時に過剰な細胞外マトリックスを沈着させて心筋の再構築を開始し、組織の硬さの上昇と伸展性の低下を引き起こす。心筋の過剰な繊維化は、さまざまな種類の心疾患や心不全の進行において重要な要因である。しかし、繊維化を標的とする臨床介入や治療法はまだ限定的である。今回我々は、マウスにおいて、病的な心筋繊維化を特異的に標的とするように再指示したT細胞による免疫療法の効果を実証する。異種抗原を発現する心臓繊維芽細胞は、抗原特異的CD8+ T細胞の養子移入によって効率よく標的化され、除去され得ることが分かった。また、ヒトの健康な心臓と疾患のある心臓から得た心臓繊維芽細胞の遺伝子シグネチャーの発現解析を行い、繊維芽細胞活性化タンパク質という心臓繊維芽細胞の内在性の標的を特定した。繊維芽細胞活性化タンパク質に対するキメラ抗原受容体を発現するT細胞の養子移入は、マウスにおいて損傷後の心筋繊維化を有意に軽減し、機能を回復させた。これらの結果は、心疾患治療に対する免疫療法薬開発のための原理証明を示している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度