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生化学:ミトコンドリアに存在するATP感受性カリウムチャネルの確認
Nature 572, 7771 doi: 10.1038/s41586-019-1498-3
ミトコンドリアは吸エルゴン反応のための化学エネルギーをATPの形で供給するので、その活性は細胞のエネルギー需要に見合っている必要があるが、ミトコンドリアの挙動とATPレベルとを結び付ける機構はよく分かっていなかった。今回我々は、ミトコンドリアに局在し、ATP依存性カリウム電流に関与するタンパク質複合体(mitoKATPと呼ばれる)の存在を確認した。このmitoKATPチャネルは、細胞膜にあってよく似た働きをする複合体と同じく、小孔形成サブユニット(MITOKと命名)とATP結合サブユニット(MITOSURと命名)から構成されていることが示された。MITOKをMITOSURと共にin vitroで再構築すると、mitoKATPの主な特性が再現された。MITOKを過剰発現させるとミトコンドリアが著しく膨張するが、このサブユニットを遺伝的に除去するとミトコンドリア膜電位が不安定になり、クリステ内腔が広がって酸化的リン酸化が低下する。マウスモデルでは、MITOKが失われると、ジアゾキシドによる薬理学的前処置によって生じる心臓保護効果が抑制された。これらの結果は、mitoKATPチャネルはミトコンドリアの容積と機能を調節することによって細胞のエネルギー状態に応答しており、従ってミトコンドリアの生理に重要な役割を担っていること、また複数の病態形成過程に影響を及ぼしている可能性があることを示している。

