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物性物理学:無限層ニッケル酸化物の超伝導

Nature 572, 7771 doi: 10.1038/s41586-019-1496-5

(La,Ba)2CuO4における非従来型の超伝導の発見は、さらなる超伝導体を見いだすとともに銅酸化物の超伝導の起源を理解することを目的として、結晶構造と電子構造が類似した化合物の研究を行う動機となっている。同型構造の例には、バルク超伝導性のSr2RuO4と、表面に電子をドープしたSr2IrO4があり、後者は超伝導ギャップと一致する分光学的特徴を示すが、ゼロ抵抗状態はまだ観測されていない。この取り組みは、ニッケル酸化物や、超伝導のホストとして設計した薄膜ヘテロ構造の理論研究にもつながった。そうした構造の1つに、単一占有されたdx2y2バンドを持つ人工の層状ニッケル酸化物ヘテロ構造を作るために最近提案されたLaAlO3/LaNiO3超格子がある。これまでの関連実験で超伝導が観測されなかった原因は、少なくとも一部にはeg軌道の不完全な分極だと考えられている。本論文では、無限層銅酸化物と同型構造の無限層ニッケル酸化物での超伝導の観測結果について報告する。ソフト化学のトポタクティック還元を使って、ペロブスカイト型前駆体相の還元によりNdNiO2とNd0.8Sr0.2NiO2の単結晶薄膜を合成した。NdNiO2は低温で抵抗率の上向きの変化を示したが、Nd0.8Sr0.2NiO2の抵抗率、臨界電流密度、磁場応答の測定結果は約9〜15 Kの超伝導転移温度を示した。この化合物は一連の還元した層状ニッケル酸化物結晶構造の1つであるため、今回の結果は、銅酸化物やニクタイドに似たニッケル酸化物超伝導体族の可能性を示唆している。

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