天文学:初期宇宙における可視光で見えない大質量銀河の主要な種族
Nature 572, 7768 doi: 10.1038/s41586-019-1452-4
宇宙誕生から約20億年間(赤方偏移z > 3に対応する)の宇宙の星形成史に関する現在の我々の理解は、主に静止系の紫外光で見つかった銀河に基づいている。しかし、この銀河種族に基づくと、豊富な塵と古い恒星集団の両方あるいはいずれかを有する最も大質量の銀河が少なく見積もられることが知られている。これは、初期宇宙における大質量銀河の真の個数や星形成率密度がどうなっているのかという疑問を提起する。近年、紫外光で見えない、いくつかの大質量銀河が初期の宇宙で確認されているが、それらのほとんどは星形成率が1年当たり太陽質量の1000倍を上回るという極めて激しいスターバースト銀河であることから、それらが大質量銀河の主要な種族を代表するものではないと示唆されている。本論文では、最も深い紫外光から近赤外線のスペクトル領域では見えない、z > 3に位置する39の大質量星形成銀河のサブミリメートル(870 μmの波長)での検出について報告する。空間密度が1立方メガパーセク当たり約2 × 10−5(極めて激しいスターバースト銀河よりも2桁大きい)で、星形成率が1年間当たり太陽質量の200倍というこれらの銀河は、これまでの探査で見逃されていた大質量銀河の主要な種族を代表するものである。それらは、z > 3に位置する紫外線で明るい同等に大質量の銀河が担う星形成率密度よりも、宇宙全体の星形成率密度に10倍寄与している。それらの銀河がその赤方偏移で最も大質量の暗黒物質ハローに存在していることから、おそらくそれらは、現在の大質量の銀河群や銀河団における最も質量の大きい銀河の前駆天体であると考えられる。大質量で塵に富んだ銀河が初期宇宙にこれほど多く存在するということは、大質量銀河の形成に関する我々の理解に新たな謎を突き付けるものである。

